去勢・避妊手術

家族の一員として健康で長生きするために

ワクチンや予防薬以外にも、いつくかの病気を予防する方法があります。オスに対する去勢手術とメスに対する避妊手術です。これらで予防できる病気のいくつかは、発生すると命をおびやかす怖い病気です。

去勢・避妊手術のメリットとデメリット

健康な子にメスを入れるのはかわいそうという意見ももっともだと思いますが、病気になってから手術をするよりも健康な時に手術をしたほうがより安全だという考え方もできます。たくさんのメリットのためにわずかなデメリットを乗り越え、家族の一員であるペットに健康で長生きしてもらいたいと考えています。

犬・猫の去勢(オス)のメリット

  • 腰を振る・マーキングなどの行動を起こしにくくなる。
  • オス猫のスプレー行動の煩わしさやケンカなどのトラブルの危険性を減少させる
  • 将来の前立腺疾患・精巣腫瘍などの予防効果。会陰ヘルニアの予防効果。
  • 肛門周囲腺腫・腺癌の予防効果。 いずれも男性ホルモンが関与

犬・猫の避妊(メス)のメリット

  • 子宮蓄膿症・卵巣疾患にならない。
  • 乳腺腫瘍の予防効果(初回発情より前に避妊した場合)
  • 生理時に部屋をよごさない、パンツをはかなくて済む。(犬のみ)
  • 望まない妊娠の回避。

犬・猫の去勢・避妊手術をすることのデメリット

  • 全身麻酔をかけた手術が必要(麻酔・手術のリスク)
  • 手術後太りやすくなる子が多い。(運動と食事でコントロール可能)
  • メス犬の避妊手術後の尿失禁(3.5%)

避妊去勢手術に関するQ&A

Q 何歳ころから不妊手術ができますか?
早期不妊手術を希望される場合には、2~3か月齢での手術も可能ですが、通常は6カ月齢(生後半年)を過ぎた辺りでの手術をお勧めしています。ある程度体が大きくなり体力も充実していること、生後半年を過ぎても抜け残っている乳歯があれば同時に抜いてしまいたいことなどが、半年を目安としている根拠となります。

Q 手術は安全ですか?手術のせいで寿命が短くなりませんか?
全身麻酔をかける前に、術前の検査をお勧めしております。全身麻酔・手術において100%安全ということは言えませんが、術前検査において問題がないようであれば、それほど大きな心配はいりません。もちろん、寿命が短くなるということもありません。少しのリスクで大きなメリットを得る手段だと考えています。

Q 手術はどのくらいの時間がかかりますか?入院が必要ですか?
手術時間は、猫の去勢手術で5分以内、犬の避妊手術で20分程度です。実際には毛刈りや消毒、麻酔からの覚醒時間などがありますので、麻酔時間はもう少し長くなります。メス犬の避妊手術の場合には1泊入院するケースが多いですが、それ以外の子はほとんどの子がその日の夕方には帰宅できます。麻酔の覚醒具合や本人の状態によって入院するかどうかを判断しています。

Q 去勢手術をすると、オスのマーキングは治りますか?おとなしくなりますか?
男性ホルモンが関連した問題行動に関しては、去勢手術をすることによって改善される場合があります。オス猫の尿スプレーに対しても効果が期待できます。ただし、手術の時期が遅れた場合には、癖になってしまい問題行動が残ってしまうかもしれません。また、おとなしくなる可能性もあるとは思いますが、過度の期待はしないほうが無難かもしれません。

Q 一度子供を産ませたほうが病気をしないと聞いたことがあるのですが・・・
お産を経験しても病気は起こります。むしろ、早期に手術をしてしまったほうが病気を予防する効果が高いといわれています。

去勢・避妊手術のお申し込み方法

事前に身体検査が必要です。手術の予約自体はお電話で可能ですが、事前に一度ご来院ください。事前診察の為のご予約は必要ありません。手術当日は絶飲・絶食が必要となります。