予防接種
ウイルスによる伝染病とその予防
ウイルスによる伝染病の中には治療の困難なものもありま。中にはヒトにも感染する恐ろしい病気もあります。これらの伝染病から大切な家族を守るためには、ワクチン接種による予防が効果的です。ワクチンには、病気に対する抵抗力(免疫)をつける効果があります。ワクチンによる予防効果は100%ではありませんが、もしも感染・発症しても軽い症状で済むという効果が期待できます。
当院で接種できるワクチン
飼育環境に応じて選択し接種しています。
- 犬では6種~10種混合ワクチン
- 猫では3種~4種混合ワクチン
- フェレットではジステンバーワクチン
混合ワクチンで予防できる【犬の病気】
●犬ジステンパー
高熱・目ヤニ・鼻水が出て、元気や食欲がなくなり、嘔吐や下痢もします。また、病気がすすむと神経系がおかされ、マヒなどの後遺症が残る場合があります。死亡率の高い伝染病です。
●犬パルボウイルス感染症
激しい嘔吐、下痢を起こし、食欲がなくなり、急激に衰弱します。重症になると脱水症状がすすみ、短時間で死亡することがあります。伝染性が強く、死亡率の高い病気です。
●犬伝染性肝炎
発熱、腹痛、嘔吐、下痢がみられ、目が白く濁ることもあります。生後1年未満の子犬が感染すると、まったく症状を示すことなく突然死することがあります。
●犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
発熱、食欲不振、クシャミ、鼻水、短く乾いた咳がみられ、肺炎を起こすこともあります。他のウイルスとの混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病です。
●犬パラインフルエンザ
カゼ症状がみられ、混合感染や二次感染が怒ると重症になり死亡することがあります。伝染性が非常に強い病気です。
●犬コロナウイルス感染症
成犬の場合は、軽度の胃腸炎ですむことが多いのですが、犬パルボウイルスとの混合感染では重症化することもあります。子犬の場合は、嘔吐と重度の水様性下痢を引き起こします。
●犬レプトスピラ感染症
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌による感染症です。レプトスピラに感染しているネズミなどの野生動物の尿や、その尿に汚染された水や土を介して皮膚や口から感染することが知られています。犬を含むほとんどの哺乳類に感染し、発熱や嘔吐、脱水、出血などを引き起こします。重症化すると死に至ることもあります。レプトスピラには、いくつかの型(タイプ)があり、カニコーラ型、イクテロヘモラジー型に加えて、細菌、グリッポチフォーサ型、ポモナ型の犬レプトスピラ感染症もワクチンで予防できるようになっています。
動物由来感染症
レプトスピラ症は、犬だけでなく人にも感染することがあります。厚生労働省は、このような動物から人に感染する病気を「動物性由来感染症」と呼び、注意を呼びかけています。
混合ワクチンで予防できる【猫の病気】
●猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
猫ヘルペスウイルスによる感染症で、ひどいクシャミ、咳、鼻炎などの呼吸器症状のほか、結膜炎を引き起こします。高熱で食欲がなくなり、鼻水と涙で顔中が汚れ、典型的な風邪の症状がみられます。
●猫カリシウイルス感染症(FCV)
かかりはじめはクシャミ、鼻水、発熱など、猫ウイルス性鼻気管炎に大変よく似ています。症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍ができることもあり、またときには急性の肺炎を起こして死亡することもあります。
●猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
白血球が極端に少なくなる病気で、パルボウイルスが病原体。高熱、嘔吐、食欲がなくなり、下痢がはじまると脱水症状となります。体力のない仔猫などは、たった1日で死ぬこともあるこわい伝染病です。
●猫白血病ウイルス感染症
持続感染すると80%が3年以内に死亡します。白血病やリンパ腫などの血液の癌、貧血、流産 などを起こします。病気に対する抵抗力(免疫)が弱まるため、いろいろな病気も併発しやすくなります。感染してから発病までの期間が大変長く、その間は見かけ上健康にみえますが、ウイルスを唾液内に排泄し、他の猫へうつします。
予防接種後の注意点
副作用の中でも、ワクチン接種後比較的短時間で起こるアナフィラキシーショックは時に命を落とす危険な副作用です。接種後30分間はできるだけそばにいてあげてください。様子がおかしいときには、すぐに病院へ向かってください。急に体の力が抜けた、嘔吐した、口の中が真っ白になった、呼吸が止まりそう。などの症状は非常に危険です。 また、遅れて出てくる副作用もあります。顔が腫れてきたり、体にじんましんが出て痒くなったり、元気がなくなったり。そんな場合には、あわてずに病院までお電話をください。
ワクチン接種のお申し込みについて
ご予約は不要です。直接ご来院ください。